鈴木正(埼玉医大)

熱浴の影響を受けた量子アニーリングの理論とシミュレーション

量子アニーリングを現実の系で実行する場合、熱浴などの環境の影響を避けて通ることはできない。D-Waveマシンでも、よほどアニーリング時間を短くしない限り、アウトプットは熱浴の影響を強く受けたものになる。理論的には、アニーリング時間が十分に長いと、熱浴の影響を受けた量子アニーリングは準静的等温過程とみなせる。しかし、有限時間を考えると、準静的過程からのずれが生じる。本講演では、超伝導磁束量子において妥当と考えられる熱浴の模型を仮定し、準静的過程からのずれに関する摂動論に基づいた理論とシミュレーションによる検証について報告する。