門脇正史(デンソー)

非断熱量子アニーリングにおける貪欲的なパラメータ最適化

量子計算では、ノイズの影響を最小限にするために、処理時間の短縮が望まれる。横磁場イジング模型にy軸方向の磁場を加えた量子アニーリングにおいて、変分パラメータを簡単に決定する手法を提案する。この方法は、短い量子アニーリングの出力に基づき、y-磁場項の係数の符号を貪欲的に最適化する。同時に、この符号は最適解となる。このアイデアを強磁性系とスピングラスでテストし、アニール時間が短い(=ノイズの影響が少ない)場合に、基底状態探索の性能向上を見出した。また、新たに導入したy-磁場項はスピン空間の回転によって除去することができ、実験的はx-磁場およびz-磁場の制御で実現可能であることを示した。