関 優也(慶應義塾大)

Factorization Machineに基づく量子アニーリング向けブラックボックス最適化手法の発展と応用

ハミルトニアンが陽に与えられない対象を最適化する問題はブラックボックス最適化問題と呼ばれる.ブラックボックス最適化問題では,対象のハミルトニアン推定と最適解の探索の両方が必要となる.ハミルトニアン推定に機械学習モデルの一つであるFactorization Machine (FM)を用い,最適解の探索に量子アニーリングを用いたFactorization Machine with Annealing (FMA)が提案された.FMの学習に関する計算量的利点と量子アニーリングの高速な解探索により,FMAはフォトニック結晶レーザーの構造最適化や固体高分子電解質の高導電性設計,スピントロニクス向け材料設計,非溶血性抗菌ペプチド設計などの幅広い応用が進められている.本講演では,FMAを利用した上記の最近の研究について紹介する.また,FMA自体の性能向上を目指した研究結果について報告する.