門脇正史(産総研)

デジタル-アナログ量子計算による量子アニーリング

デジタル-アナログ量子計算(DAQC)は、実用的な量子コンピュータを構築する際の課題に対処する有望なアプローチを提供します。デジタルとアナログの量子回路間でリソースを効率的に割り当てることにより、DAQCは最適なパフォーマンスを達成する道を開きます。私たちは、量子アニーリングのパフォーマンスを向上させるために設計されたアルゴリズムを提案します。この方法は、量子ゲートを使用して最終アニーリング状態の良さを推定し、組み合わせ最適化問題の基底状態を見つけるために使用されます。DAQCフレームワークに量子アニーリング回路を統合するための2つの戦略を探りました:(1)状態準備、および(2)量子ゲート内への埋め込み。前者の戦略はパフォーマンスの向上をもたらしませんが、後者はアニーリング時間の特定の範囲内でパフォーマンスを向上させることがわかりました。パフォーマンスが向上したアルゴリズムは、異なる量子アニーリング設定からの2つの状態の内積の虚部を利用します。この尺度は、古典的なコスト関数のエネルギーだけでなく、量子ダイナミクスの軌道も反映しています。この研究は、量子回路を使用して量子データを処理することが、量子情報を無視する古典的なデータ処理を上回る可能性がある一例を提供します。